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飲食店経営の3大要素はメニュー・価格・集客、リピーター育成が勝利のポイントです

飲食店が継続的に売り上げを維持するためには、来店者を増やさなければなりません。しかし、お店を開いていれば自然にお客さんが入ってくるわけではありませんし、「味で勝負」と言っても、そもそもそれを食べてくれるお客さんがいなければお店の良さは伝わりません。集客力を高めたい飲食店経営者のために、お店の立地に合わせたPR方法をご紹介します。

実力勝負の「メニュー」「価格」、アイディア勝負の「集客」の3要素に注目

お店で食べられる飲食店が、毎日無事に店を続けるために大切な3要素とは「メニュー」「価格」「集客」と言われています。メニューが良くなければお客さんは来ないし、メニューが良くても価格が非常識ならやはりお客さんは来ない。メニューも価格もがんばったとしても、それを食べに来るお客さんがいなければ経営が成り立ちません。この3つはどれが欠けてもお店の繁栄に影響がある大切な要素なのです。

アイディアが大切な「集客」に注目して提案します

このうち「メニュー」「価格」は店主の努力でがんばれる要素です。お客さんの好みをしっかり理解し、しっかりした味を他店より少し安く提供できれば未来は明るいと言えるでしょう。しかしそこまで努力しても、お客さんが来てくれなければどうしようもありません。

「集客」は、店主の努力というよりアイディア次第の色合いが強い要素です。そこで今回は、効果的な集客方法を、飲食店の料理ジャンルではなく人の流れから考えました。「街のラーメン屋さん」、「駅前・駅ビル内店舗」、「繁華街、郊外」から、「観光名所」といった人の流れごとに4パターンにわけて、それぞれへの対策を提案します。

街のラーメン屋さん:近隣住人がターゲット。看板と外から見える写真付きメニューを

昔からの飲食店のあり方で、おやじ・おばさんが1人で切り盛りしているカウンター中心の外食店のイメージです。味は絶品にはあと一歩でも、チェーン店とは違い「その店の味」にはこだわっています。

こんな店の集客で大切なのは、看板とパッと見て分かる店外メニューです。メニューには「麺が見えないほど野菜たっぷりの、当店おすすめタンメン」など店主の一言は、ぜひ入れておいてください。さらに「夏の冷やし中華」以外に、季節に一品ぐらいは旬の食材を使った新メニューがあると、季節ごとにメニューを新しくできて効果的です。

広報活動としてはチラシも年に1、2回は可能ならやってみましょう。広告としては、新聞チラシ、地元のフリーペーパーといった既存媒体を使う方法と、ポスティングや街頭配布といった直接チラシなどを配布する方法があります。

それぞれ配布できる範囲によって予算が異なりますので、まず概算を確認しましょう。新聞配達店舗やフリーペーパーの編集部に聞けば、すぐに教えてくれます。ポスティングなども、「ポスティング 地域名」で検索すればすぐに該当サービスがわかります。

またお店のほうで季節メニューやクーポンを用意できるなら、それらと合わせて宣伝すると効果アップが期待できます。

そして大切なのが、宣伝の効果測定です。チラシを配布してからどれだけ客足が伸びたか、どれだけの人がクーポンを使ってくれたかなどを確認しておきましょう。次からの宣伝方法の参考になります。

駅前・駅ビル店舗:人の流れを活用!看板や写真付きメニュー、店頭チラシ、SNSなど

駅前や駅ビルは常に人の流れを期待できるので、看板や外から見える写真付きメニューは必須です。多数の人が店舗の看板を見ている可能性は大なので、一度は行ってみようかなと思う確率も高いと言えます。

さらに店頭チラシやSNSなどを工夫して、地元以外の通勤客にもアプローチしてみましょう。店頭チラシに加え、Facebook、Instagram、LINE、などのSNS活用が、いまどきは効果が高いと言えます。ただしSNSは、更新されてないと逆効果になりがちなので、数日での更新が大切です。店員が片手間にできることではないので、更新担当を決めてトライしましょう。

来店スタンプ、クーポン券なども、貯めるのが好きな人には有効です。店舗前を通り過ぎる人はたくさんいるので、写真付きメニューの更新はマメに行いたいものです。月が変わるごとにキーカラーを変えてメニューを更新すれば、絶対目にする人はいます。ぜひ店舗前での小まめなアプローチを続けましょう。

繁華街・郊外店舗:広い範囲から集客。広い駐車場、特色あるメニューなどの投資が必要

広い範囲から集客できるので、駐車場や特色あるメニューなどへの投資は効果的です。

外食を、友好の場に、たまの楽しみに、自分へのご褒美にとする人は多いはず。そんなときは、近所のラーメン屋にはないハレの雰囲気が求められますが、このハレの気持ちを盛り上げるメニューを1品でいいのでぜひ用意しましょう。そして、わざわざ足を運んでくれるお客さんの気持ちに応えましょう。これが繁華街・郊外店舗の成功の秘訣です。

またこのレベルになると、食べログ、ぐるナビ、Rettyといったグルメサイトへの掲載は、多少費用はかかっても検討の価値があります。特有のメニューやサービスでお客さんを呼ぶ必要があるので、それらをメッセージとして伝えるためには最初の入り口として先のグルメサイトが重要になります。一度、自店舗のSNSに引き込めれば、後はかなり優位に展開できます。

観光名所:常に大量の人の流れ。ただしリピーターへの期待は難しいのでメニューで勝負

人はいっぱい来ますが、一限のお客さんが多いのが観光名所の飲食店。非日常を楽しみにくる人がメインなので、いくらおいしくても「ラーメン」「カレーライス」といった定番ものを選ぶことは少ないと言えます。

「4月のスペシャルメニュー:春の伊勢湾の恵みたっぷり、地元醤油味がうれしいラーメン」「8月だけのおすすめ:伊勢の夏野菜と地元スパイスの出会いが新鮮なカレーライス」のような、今日を印象付け、地元を味わえる(気がする)、スペシャルメニューが観光客の非日常を味わいたい気持ちにマッチします。メニューを作り込めれば、多少高くても観光客はひるまないので、ぜひグっとくるメニューの創作に挑戦しましょう。

ちなみにお客さんはたまにしか来ませんから、ガラっと変わるスペシャルメニューを毎回用意する必要性は薄いと言えます。基本はしっかり押さえて、他の小鉢をいろいろ変えるだけも十分と言えるでしょう。

大切なのはリピーターの育成です

とはいえ、常に集客努力を続けるのはたいへん。やはり重要なのはリピーターの育成です。

イタリアの経済学者、ヴィルフレッド・パレートが発見した「パレート法則」によると、「全ての顧客を平等に扱うのではなく、2割の優良顧客を差別化することで8割の売上が維持でき、高い費用対効果を追求できる」と言われています。

リピーターを育てよう

集客に成功したら、次はメニューや価格でお客さんの心を捉え、何度も店に来てくれるリピーターへと育成しましょう。ここからが飲食店主の本当の腕の見せ所です、大いにがんばってください。とにかくお客さんが来たら、「この人をもう1度、来店させるには」に頭と腕をしぼって接客し、料理を出すようにしましょう。お金がかからない印象アップには、「いらっしゃい!」の一言も重要です。

もし悩みがあるとすると、リピーターの顔を覚えるのがたいへんかもしれません。リピーターの育成は「顔を覚えること」からですから、記憶するのは大切なポイントです。たくさん人が来てくれても、だれがリピーターなのかわからないと、特別な接客もできません。しかし数人ならなんとかなっても、100〜200人となると難易度は急激に高くなります。

そんなときは来店時のお客さんの振る舞いに注意してみましょう。店に入ってグルっと見回すお客さんは、ほとんどが初めて、そうでなくすぐに席に向かうのは来店経験ありということが言えます。人間は、初めて入るところには注意を払うものです。また、電話予約のとき「当店までの道はおわかりですか」と聞くのも、リピーターと初めての客の区別に役だちます。

そしてリピーターと判断できたら、「いつもご贔屓ありがとうございます」と一言添えましょう。人間、特別扱いされるとうれしいものです。

お店の印象づけに、おかしプリントを活用

大切なお客さんに、もう一度来店してもらうためには店舗の印象づけが大切です。焼肉屋さんの食後のガムではありませんが、飲食後のお店独特の無料サービスは、意外に印象が深いものです。

おすすめなのが、店名やオーナーの写真が入ったおかしプリントです。開店記念日や新メニュー公開日、オーナーの誕生日といった特別な日(週)に配ることで、お客にとって忘れられない店になるのはうけあいです。始めての店でも、こんなノベルティをもらえば、「また、来てもいいな」と思えて、リピーターの成長に役立ちます。

また「お腹いっぱいなのにお菓子をあげても効果が薄いのでは」と思われるかもしれませんが、お菓子=食べ物ですので、飲食店のイメージに重なるので後々イメージしやすくなります。またお菓子をもらっても、もうお腹いっぱいですから、その場で食べることは少ないでしょう。でも家に戻ってから、時間が経って次の日などに見返したとき、お菓子にプリントされた店名は「ああ、ここで食べたんだな」と思えて、印象深くお客さんの脳裏に焼き付きます。ぜひ、食後のお土産におかしプリントを活用して、リピーター育成にトライしてみましょう。